お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2012年11月30日金曜日

ロンドン冬仕度

まだ昼過ぎだというのに、弱い陽射が切ない感じだ。
写真には写っていないが、ヒースロー空港への最終着陸態勢の
旅客機が頻繁にこの写真の左から右方向へ、
ちょうど太陽の前を通り過ぎてビルの陰に消えていく。

ロンドン発祥のコーヒーチェーンCOSTAの
紙コップがクリスマス仕様になっている。
研究室に入ってくる陽射も弱々しい。

小さなショッピングモールも
クリスマスの飾り付けがされている。



Basilar-type migraineのvisual symptoms


Migraine with auravisual aura31%bilateralである。

Basilar-type migraineのbilateral visual symptomsとどうちがうのか?

 

ICHD-II: Visual symptoms simultaneously in both temporal and nasal fields of both eyes

>>違わない。ただし前兆が少なくとも以下の

2 つの完全可逆性の前兆がある

が、運動麻痺(脱力)はともなわない。

 

1.構音障害

2.回転性めまい

3.耳鳴

4.難聴

5.複視

(6.両眼の耳側および鼻側の両側にわたる視覚症状= Bilateral visual aura)

7.運動失調

8.意識レベル低下

9.両側性の感覚障害

 

つまり、Bilateral visual auraのみであればBasilar-type migraine

とはいえない。

視覚前兆の色

 
White 47%

Yellow 3%

Black 3%

Rainbow colours 12%

Other colours 21%

No particular colour 14%

Visual aura 31%がBilateral

1996 Apr;119 ( Pt 2):355-61.

A nosographic analysis of the migraine aura in a general population.

Source

Department of Neurology, Glostrup Hospital, University of Copenhagen, Denmark.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8800932

2012年11月29日木曜日

Headachyとう表現


headachy; 頭痛持ちの, 頭痛がする。

この形容詞知らなかった

一言


半年以上患者さん診てない。研究もいいけど、診療もしたい。

Smoking - Cranial autonomic symptoms in migraine

2011 Jan;51(1):85-91. doi: 10.1111/j.1526-4610.2010.01707.x.

A history of cigarette smoking is associated with the development of cranial autonomic symptoms with migraine headaches.

Source

Geisinger Wyoming Valley, Department of Neurology, Wilkes-Barre, PA, USA.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20553330

2012年11月28日水曜日

暖かいものがほしい。

頭痛と全く関係ないが、デロンギの

オイルヒーターやエスプレッソマシンは

いいなあと思う。

デロンギはイタリアの家電メーカーである。

寒いと、暖かいものばかりが気になってしまう。

http://www.delonghi.co.jp/

デロンギ ホームページより

イギリス ロンドン

ちょっと寒すぎる!!

2012年11月25日日曜日

神戸

土曜日に医局の後輩の結婚式が神戸であったので
金曜日に帰国して、さきほどロンドンに戻ってきた。

彼は見た感じは今風の若者だが、
非常に黙々と臨床に取り組み、礼儀正しく
いつも冷静で、とても尊敬している。

本当に良い結婚式であった。







2012年11月22日木曜日

セントラルヒーティング

最近、めっきり寒くなってきた。

といっても、常にあまり気温は高くない。

それでも、夏の間は午後9時を過ぎても

あかるかったのだが、サマータイムも

終わり一気に日が短くなった。

僕は寒いより、暑いほうが

気分的にはいい。

頭痛に関しては寒いほうがいいのかも

しれないが、寒くて暗いと

なんとなく、わびしい感じがする。


英国には、一般的な家庭には

網戸もなければ冷房もないことが多い。

はじめてきた時、なぜ網戸が無いの?

と不思議におもったが、あまり夜に

まどを開け放つことも少ない。

さらに蚊がほとんどいないらしい。

そういえば、今年の夏は一度も

蚊を見なかった。また、蝉もいない。

夏に日本に帰った時、蝉がたくさん

ないていて、おっ、蝉や!と少し

驚いたくらいである。


そんな寒いロンドンだが、いいなと思うのは

暖房システムである。

各家庭に必ずボイラーがあり、そのお湯で

各部屋の暖房をするセントラルヒーティング

がついている。(北海道では珍しくないと聞くが)

これが、エアコンとは違いポカポカして

とても暖かい。また窓は二重窓になっており

一度温まるといつまでも暖かい。

表面的に温まるのと違い、

このセントラルヒーティングは

本当にいい。日本にかえったら

これ出来ないかなあと思う。

繰り返してしまうが、エアコンとは

全く違う感覚で、空気は乾燥せず、

本当に体の芯からポカポカと言う感じだ。

これだけは、本当に良いものである。




英国で標準のセントラルヒーティング。
これは暖かくて良い。ポカポカとして気持ちが良い。
この上に部屋着やタオルを置いておくと、本当に暖かくて良い。
エアコンと違い体の芯から温まり、ほてってくるような感じだ。
日本に帰っても欲しい。

2012年11月21日水曜日

頭痛の3次医療機関(Tertiary Headache Centre)について。

英国では全ての国民が基本的に家庭医に登録

するため、頭痛の1次医療機関は家庭医という

ことになる。家庭医で難治性の場合、頭痛の3次

医療機関(Tertiary Headache Centre)の頭痛専門医に紹介される

ケースが多いようである。2次医療機関は少ない

印象だ。また、頭痛専門医の数も少なく、長い1年

以上にもわたることのある長い待ち時間を

へて初診になることとなる。

こうして頭痛専門医のもとには、極めて難治性の

種々の連日性頭痛の患者さんがあつまって

くる訳である。欧米ではこのスタイルが一般的な

ようである。


一方、日本では頭痛の1次医療機関は一般病院、医院で

どこでもおおむね頭痛で受診することができる。

これで解決しない場合、頭痛専門医への紹介となる。

もしくは、自分の意思で初めから専門医を受診する。

ここが英国と異なるが、日本では頭痛専門医は

数百人いる。全ての医療機関の現状を把握している

わけではないが、僕の個人的感想としては

日本では頭痛の2次医療機関と、3次医療機関は

はっきりとは、わけられていないような印象である。

もちろん名門頭痛医療機関には多くの患者さんがあつまり

質の高い治療を行っているのはいうまでもないが、

一般的な印象としては多くの2次医療機関と3次医療機関が

比較的軽症から重症まで、様々な頭痛症例を

治療している印象だ。


難治なケースも各医療機関で

それぞれ治療継続しているようだ。

つまり極めて難治な頭痛患者さんだけが

3次医療機関にあつまり、その他の軽症から

中等症が2次医療機関で治療をうけている

という構図ではないようだ。


もし、例えば呼吸器疾患や循環器疾患などであれば

極めて難治な患者さんが2次医療機関で発生すれば

ただちに3次医療機関に転送されて集中的に

治療されるだろう。


頭痛の場合、片頭痛などの一次性頭痛では一般的に

生命に関わることが少ないため2次医療機関でも

診療し続けることができるのであろう。


さて、この極めて難治の頭痛患者さんだけが、頭痛の3次

医療機関に集中することについて、日本でそれが

実現した場合良い面と良くない面があるのではないか。


良い面としては、難治性患者さんだけに集中する

ことで、特殊な治療や先進的な治療がすすめやすくなり

頭痛医療の発展が期待でき、難治性患者さんにとっても

各医療機関で、なかなか良くならなかった場合でも

何らかの進展が得られる可能性が高くなる。

また、2次医療機関は比較的治療に反応しやすい

患者さんに集中することで診療がスムースになる。


良くない面としては、3次医療機関はおそらく

全国に数ヶ所になるだろうから、受診に際し

遠方まで出かける必要がある(*注)。

また、医療機関としては

軽症の頭痛も、極めて難治性の頭痛であっても

診療報酬は同じであり、極めて長時間の診療を必要と

する難治性頭痛の患者さんだけに集中して診療すると

おそらく病院は経済的に困難になるだろう。


個人的意見であるが、社会が本当に頭痛診療の

必要性を認めるなら、特に難治性頭痛患者さんの

診療は時間をかけて行えるような環境整備を

整えるべきだろう。


(*注;  この場合の

対応策としては、英国が参考になる。英国では

頭痛専門医の診察は3カ月から6カ月に1回だ。

多くの場合、各受診ごとにこれまでの治療の判定を

して、次のプランを決定する。つまり薬物内服量の

ターゲットドーズの決定や新たな治療プロトコールを始める

か否かを決定する。専門医はその新たなプランを

家庭医に指示して新たな治療を進める。決して漫然と

診療が進んでいる訳ではなく、各受診ごとに必ず何かが

進むようになっていて診療にメリハリがある。実際

治療効果は直ぐにでるものではなくこのくらいの

受診間隔で良いのかもしれない。細かなトラブルに

対しては基本的に家庭医が対応。これを参考に

するならば、3次医療機関が基本的な方針をきめ

受診と受診の間は2次医療機関が対応すること

も一つの解決策になるかもしれない。)

2012年11月20日火曜日

Russell Square Station


こちらへきてから

やる気はあるのに

実力が伴わず

気合が空回りしている

ことが多かっ


ひらきなおってやっていると

最近、うまくいくこともあう。


また、そのうち勢いも

出てくるであろう。
ロンドン中心部の駅。ここの近くのテスコで、帰りに野菜と魚を買う。
テスコは比較的安いチェーンスーパーだ。ここのテスコは24時間あいていて便利だ。
夏の間は、よく若い学生風の日本人観光客が夜食の買い出しに来ていた。
彼らは楽しそうで、ふと自分も観光客気分を味わえる一時であった。
そういえば、寒くなってからはあまり見かけなくなった。

Limb pain in migraine

1988 Aug;51(8):1022-31.

Limb pain in migraine and cluster headache.

Source

Department of Neurology, Westminster Hospital, London, UK.

Abstract

Upper limb pain occurred in close temporal association with attacks of migraine, cluster headache and cluster-migraine in 22 cases. Seven had also lower limb pain. Limb pain was usually ipsilateral to the headache but could alternate sides and behaved like other accepted migraine accompaniments. It was always ipsilateral to the associated paraesthesiae/numbness (9 cases) and weakness (6 cases). The distribution and restricted localisations of limb pain were similar to those of the sensory symptoms and could not be accounted for by primary dysfunction of the peripheral or autonomic nervous systems. A central origin for limb pain is postulated. A temporary dysfunction in the somatosensory cortex, and/or its thalamic connections, during migraine or cluster headache attacks, might mediate such pain in a number of patients.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3216204

2012年11月19日月曜日

STONE 違い

トピラマートでkidney stone。これは、注意しよう。

で? バルプロ酸でgain one stone?

バルプロ酸でもstone?

なるほど、ストーンとは14ポンド(6.35kg)のことね。

バルプロ酸で体重増加注意しよう。

2012年11月16日金曜日

神経内科学

頭痛の症状だけなら神経内科の知識、スキルはいらないかもしれない。

しかし、少なからず神経症状を伴う場合がある。

これらを正確に評価するためにはやはり神経学に精通している必要が

ある。特にこちらへきてそう感じるようになった。

神経内科的スキルがなくても、そこそこの頭痛診療はできる

かもしれないが、神経学的症状に気がつかず、重要な

サイン見逃してしまうかもしれない。それが、たとえ生命に

関わらないものであるとしても正確な診断を逃す可能性がある。

一度、神経内科もしっかり学びたいと感じている。


しかし、一方で神経内科の知識だけでは良くないと思っている。

8月13日の記事「日本頭痛学会の奥深さ」でも

書いたと思うが、頭痛は脳外科学、精神医学、歯科、内分泌、

女性医学、小児科学、耳鼻科学のみならず、社会的背景などまで

目を向けていかないと良い診療ができないというのも事実である。

また、治療という観点では漢方やハーブ、代替療法等にも

OPEN MINDである必要がある。

この辺りをどう作り上げていくか、自分の課題である。


口腔顔面痛外来

頭痛外来とは別に、隣の病院(隣の病院といっても廊下が

繋がっているので隣の同じ病院のような感じもするが)

口腔顔面痛外来がある。

これは神経内科ではなく、歯科の先生がされている。

頭痛専門医と連携して診療しているようだ。


第40回日本頭痛学会総会始まる。

久々にフェイスブックを見ていると、つい先ほどから

第40回日本頭痛学会総会が始まったようです。

頭痛をされている先生の投稿が少しずつ入ってきています。


やはり気になるが僕は僕で自分の仕事に集中しよう。

僕はといえば、今日、同じ研究室の先生が、学生に頭痛の講義を

するということで聞きにいった。

講義室の雰囲気などは日本と変わらないな。

内容が濃かったので非常に勉強になった。


先ほどから東京ドームホテルはじまった日本頭痛学会総会。
東京で頭痛診療をされている目々澤醫院の
目々澤肇先生に開会式の様子の速報写真をお借りしました。
(僕は会場ではなくロンドンの自宅のパソコン前にいます)

2012年11月15日木曜日

Facial migraine

片頭痛の9%に顔面痛を伴う。

ただし、頭痛がなくて顔面痛だけのfacial migraine症例は

極めてまれ。

2010 Jan;30(1):92-6.

Prevalence of facial pain in migraine: a population-based study.

Source

Department of Neurology, University of Duisburg-Essen, Essen, Germany. min-suk.yoon@uni-due.de

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19515128

Coexistence of hemiplegic migraine with SUNCT or SUNA.

2012 Feb;32(3):258-62. doi: 10.1177/0333102411434168. Epub 2012 Jan 11.

Coexistence of hemiplegic migraine with SUNCT or SUNA: a case series.

Source

Institute of Neurology, UK.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=sunct%20hm

陽射

秋が深まるにつれ、陽が低くなり
昼過ぎの一時だけ、研究室の奥にある
僕の机にまで陽がさしこむ。
やわらかくて暖かい陽射だ。

2012年11月14日水曜日

Hemiplegic cluster

2002 Feb;42(2):136-9.

Hemiplegic cluster.

Source

Jefferson Headache Center, Department of Neurology, Thomas Jefferson University Hospital, Philadelphia, PA 19107, USA.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12005289

無題

お世話になっている、

とても親切な先生

の奥様が亡くなられた。

昨日、連絡を受けてしった。

今日、告別式とのこと。

その先生のことを思うと

とても悲しいことです。


また、いろいろな意味で、

医局が大変な時期に

留学していて申し訳なく

思います。


ご冥福をお祈りします。




2012年11月12日月曜日

もうすぐ頭痛学会総会

もうすぐ、日本頭痛学会総会がある。
ホームページ上には、プログラムも
アップされている。

今回は、行けないな。残念。

イギリスの先生の講演もあるみたいだ。
つい先日、ロンドンでその先生にお会いした
時に、11月の日本の頭痛学会行くんですか?
と聞かれた。

僕は行かないですとお答えしたのだが、
日本の頭痛学会の日程までよく
ご存知だなあとおもっていた。
講演されるんですね。

これも聞きに行きたかったな。

2012年11月9日金曜日

痛くなったらすぐセデス?

痛くなったらすぐセデス♪

有名な CMソングで、おそらく

多くの頭痛専門医は、薬物乱用頭痛への

移行危険性から眉をひそめている

にちがいない。


しかし、僕はむしろ、このCMソングを

痛くなったら、週に2回までなら♪  すぐセデス♪

というようにアレンジしたら、すごくインパクト

があって、CMとしても目立つし、

薬物乱用頭痛の啓蒙にもなって

一石二鳥ではないかとおもう。
少なくとも、すぐに服用がよいという意味では
「効いたよね 早めのバファリン♪」とともに
的を得ている。

頭痛専門医とBOTOX


英国の頭痛専門医は神経内科医だが、

特に試験などがあるわけではないそうだ。

また、家庭医のGPwSI* in headache

 (*general practitioners with a special interest )

 も試験などがあるわけではないという。

 

頭痛専門医は全英で20人ぐらいとのこと.

GPwSI in headache10-20人ぐらいとのこと

 

以前に頭痛専門医は完全に頭痛に特化している

と記載したが日によって頭痛をみたり

他の神経内科疾患をみている頭痛専門医も

多いそうだ。

 

そうなると、人口6000万人の英国では、

専門医がたらないのでは、とおもう。

 

専門医へのアクセスがよくないのはこまる。

最近、慢性片頭痛にBOTOXが認可されたので

これを目当てに頭痛専門医をなのる医師が

でてくるのでは、などというという

よろしくない話もあるという。

頭痛臨床と臨床研究


こちらのドクターの研究業績は、ほぼ全て臨床研究だ。

臨床研究だけで、ここまでの業績をだしているということは

それだけ頭痛臨床に力を入れていることの証だろう。

極めて詳細な病歴聴取、系統だった積極的かつ先進的治療、

さまざまな国から留学生が集まってくる吸引力

これは、本当に憧れるそうありたい

2012年11月8日木曜日

片麻痺性片頭痛と慢性片頭痛

片麻痺性片頭痛はバックグラウンドに

慢性片頭痛を有していることがある。

もちろん、緊張型様の頭痛が

持続していて、時に増悪する

ケースもあれば、頭痛が

ない時間があり、頻回に

発作がでるというタイプもある。


片麻痺の前兆は、これらの頭痛の

増悪時に起こることが多いが、

高頻度で前兆を伴う人も

いれば、年に1回とか

生涯で数回という人まで

様々だ。

基本的な治療は通常の

慢性片頭痛に準じた治療に

なる。

トリプタンは一般に禁忌と

なっているが、英国の頭痛専門医療機関では

慎重な観察の上、しばしば使用されて

いるようだ。

*添付文章上は禁忌である。

2012年11月7日水曜日

孤発性片麻痺性片頭痛の診断の難しさ

家族性片麻痺性片頭痛(FHM)も診断は難しいかもしれないが、

孤発性片麻痺性片頭痛(SHM)は家族歴もなくさらに診断が難しい。

SHMはTIAなどとしっかり鑑別する必要がある。

また、身体表現性障害などとの

鑑別も重要となってくる。


もともとうつを有しており、脳底型症状の

一過性意識障害など呈してくるような症例では

症状が極めて複雑で、診断に

苦慮する症例も多い。

いわゆる詐病様症状と

誤解されることも多い。

また、心身医療的問題や社会的問題

を抱えていることも多い。

何年も診断がつかず、

いろいろな専門医を渡り歩く

こともあるようだ。



さらにややこしいことには、

診断基準では麻痺は

可逆性となっているが、

実際には一部麻痺が残存することも

あり、どのように診断をつけるか

難しいところだろう。


多くの医師は扱いにくいと

感じる領域かもしれない。

SHMの可能性はないか?

という目で積極的にみていかないと

なかなか診断しにくい。


また、典型的な症状ではなく、

軽度の症例などでは患者さん

自身も忘れてしまうことも

あるかもしれない。

色々な頭の痛み方 -多様な表現-

Throbbing        
Sharp   
Boring  
Dull      
Pressure             
Stabbing            
Tightening         
Burning
Aching  
Numbing            
Pounding
Shooting
Thumping

2012年11月6日火曜日

群発頭痛発作とAgitation

留学先では、主に頭痛の臨床研究をしている
のだが、僕以外にも留学生がいる。

彼らは、実際に医師登録をして患者さんをみている。

医師登録をするのには英語が基準に達している
必要がある。それは当然だろう。

彼らはほぼネイティブに近い英語力がある。

この基準と言うのがかなり高く、日本人には
とても難関だ。

時々彼らが病棟へ行くのだが、今日は
付いていくことにした。

ちょうど群発頭痛の発作の最中で酸素を
投与しているところであった。

(*ちなみに群発頭痛=スマトリプタンis
という画一的な治療でなく、ブロックや
各種予防薬、その他の様々な治療を本人にあう
ような形で治療しているようである。
教科書的な治療でコントロール
できている人は入院とはならず
複雑でコントロールの難しいケースが
入院となっている。)

患者さんは、落ち着きがないというより
むしろ痛みでじーっと頭を抱えてうなっていた。

群発頭痛でagitationがあるのは88%。
10%ほどは、このようにじーっとしているという。

以前(9月8日)にSUNCTの発作の様子に
ついて記載した。この発作は10分おきぐらいに
急に片側の鼻水と涙がこぼれて、頭痛が
襲って来て、いてもたってもいられず
歩き回り、ほどなくしておさまり、
同じ発作を繰り返すという頭痛だった。

SUNCTもこのようなagitationが伴うのは62%
でそうでないケースも4割くらいあるとのこと。
(Brain2006 129、2746-60、 AS Cohen, MS Matharu, PJ Goadsby)

他の留学生は僕よりわかいのだが、
頭痛のキャリアは長く何でもしっている。
何を聞いても、この症状は何パーセントで
この症状は何パーセント、何年の○○の
雑誌にはこういうケースがあったとか、
こんなレビューがあったとか、
あふれんばかりの知識が
泉のように、わき出てくる。

全く脱帽だ。専門医とはかくあるべきだ。
頑張ろう。
所用で南に徒歩15分ほどのトッテナムコートロード
に行った。Centre Point Tower, Londonは
大きいので目立つ。

日本食チェーン 「わさび」
他の場所で入ったことがあるが、
寿司をはじめとした
日本食が味わえる。

もう、クリスマスの飾りつけになっていた。



片麻痺性片頭痛のPrecipitatingトリガー

Minor head trauma
Angio

などなど

HaNDLと孤発性片麻痺性片頭痛

HaNDLとSHM鑑別忘れない

*HaNDL >> male, transient hemiparesis and aphasia

LP必要 CSF WBC check

ところで、HMについて、FHMに関心いきがちだが、

PREVALENCEは

SHM 0.002%
FHM 0.003%で

SHMわりと多い(実際に少なくない)

HMにBasilar-type aura伴う事も多い


2012年11月4日日曜日

ガイ フォークス ナイト


ガイ フォークス ナイトというお祭りがあった。
英国の風習で11月に行われる。
子どもたちが花火
をならし、
かがり火をたく風習がある。
英国の各地で花火などの催しがある。




色々な店もでていて賑わっていた。

2012年11月3日土曜日

Migraine Action のMigraine Education Day


明日というか今日、片頭痛教室が開かれます。


今から洗濯してアイロンかけないと。

今、午前3時半。だいぶ疲れてきた。

マサル先生とマクレガ先生も講演されるみたいです。

マクレガ先生は非常に優しく

本当に穏やかな先生です。

楽しみです。







片麻痺性片頭痛あれこれ


片麻痺性片頭痛を学ぶことは、片頭痛を学ぶ上で非常にためになる。
片頭痛とは、単に頭痛をさすのではなく、予兆、前兆、頭痛およびそれに伴う嘔気や過敏症状などの随伴症状、頭痛後の回復期を含めた一連の症状をさす病態である。
J.N.BLAU LANCET 1992 339 P1202

その中で、前兆をともなわないものもあれば、前兆だけで頭痛を伴わないもの
もあるが、これらはいずれも片頭痛である。

その中で前兆と言うのは、閃輝暗点などの視覚陽性および陰性徴候、ちくちくした陽性感覚徴候や、感覚が分かりにくくなる陰性感覚徴候、言葉が思いつかなかったり、発語できなかったり、言葉が理解できなかったりといった失語性言語障害があるが、片麻痺性片頭痛ではこれらの他に手足や顔などの体の一部が動きにくくなる陰性運動徴候も認められる。また、両側性の視覚症状や
構音障害やめまいなどの脳底型の徴候なども伴う事が多く比較的複雑である。

この前兆を深く学ぶということは、片頭痛の理解に重要なことではないかと感じる。
片麻痺性片頭痛にはしばしば、背景に慢性片頭痛を伴い、片麻痺性片頭痛を理解する
ことは慢性片頭痛を理解することでもある。また慢性片頭痛を理解するためには
以前からあるmigraine equivalentやその頭痛発症のきっかけとなった
precipitating factor、また各発作の誘因となるtriggerなどの背景を捉えること
のみならず、慢性連日性頭痛の背景に隠れている睡眠時無呼吸、
髄液圧異常、頸部異常などを鑑別しておくことが肝要である。

また、片頭痛においても睡眠と頭痛は
密接に関連しており、睡眠不足、睡眠過多は片頭痛の引き金になる
し、片頭痛が起こると眠たくなる。また、睡眠はRestless legs syndrome
の観点からも興味深い。ナルコレプシー症例で片頭痛が多い
という報告もある。睡眠と片頭痛の関係を解明することは
視床下部を含めた神経機能の解明につながる可能性があるし、
逆に睡眠のマネージメントは片頭痛のマネージメントにもつながる。
つまり睡眠と片頭痛はきってもきりはなせない。さらに月経、子宮内膜症
その他女性ホルモンに関連した婦人科的問診も欠かせない。このあたりの
患者背景については、うつなどの精神医学的な分野も含めて広範囲にわたり
聞き取りをして把握する必要がある。


また、片麻痺性片頭痛に限らず、慢性片頭痛では時に眼球充血や流涙などの
自律神経症状をともなう事が(TACsのみならず片頭痛でもcranial autonomic symptoms
を認めることがある)あるが、それらの聞き取りとともに片頭痛随伴症状
である、嘔気、嘔吐、光音におい等の過敏症状、労作による頭痛の増悪やめまい感、だるさ、lightheadednessなどをよく聴取する必要がある。

*lightheadednessについては2013.10.25記事参照


興味深いことに稀な疾患である片麻痺性片頭痛は、同じく稀な疾患であり、
自律神経症状と短時間の片側頭痛を特徴とするSUNAや
その亜型であるSUNCTの合併が比較的多いことから、実は同じ機序に由来するのでは
ないかという報告もある。

確かに片麻痺性片頭痛は稀な疾患であるが、実は診断されていない
症例が少なからずあるのではないかと感じている。
もちろんはっきりとした麻痺がでて脳梗塞との鑑別が必要となるような
症例は少ないかもしれないが、hemiplegiaではなく
軽度のweaknessで一過性の症例でかつ、頻度が少ない症例など
は患者さん自身もそれほど意識していない可能性もある。
また、TIAやsomatoform disorderの診断が
実は片麻痺性片頭痛であるケースも
多いのではないかと思う。英国でも
実際そのようなケースは時々あるようである。

*残念ながら、一般的に頭痛臨床についてはすべての医師が
精通しているわけではない。聞くところによると、たとえ神経内科医や脳外科医で
あったとしても、二次性頭痛(脳腫瘍や脳出血などによる頭痛)
の除外はできても、正確な頭痛の診断やマネージメント
ができるとは限らないとのことである。また片麻痺性片頭痛
などの稀な頭痛は知らない医師が多いそうである。知らない疾患は
絶対に診断できないだろう。英国でも、複数の医師や
神経内科で、精神的なもの、一過性の脳虚血などとして
扱われ、片麻痺性片頭痛という診断にたどり着くまでには
相当の期間がかかっているケースがあるそうである。患者側としても
何度か異常がないと言われれば、そこで受診をあきらめて
しまうケースもあるだろう。片麻痺性片頭痛にはそういった
難しさが常に伴う。

とりとめもないことを、思うままに書いてしまったのでまとまりのない内容に
なったが、本当にいろいろと勉強することは多いし、学ぶことも多い。
そして何より頭痛と言うのは、どこまで行っても奥が深い。
なにしろ頭痛は目に見えない病気だから。

関連記載



留学先の病院から徒歩5分のところに大英博物館
がある。いつでもいけるのだが、数回しか行っていない。
今日、たまたま同じ研究室の若手で
昼休みに一度行ってみようということになった。




しばし観光客気分を味わう。入場料が無料なのがいい。
30分ほどして病院にもどった。

帰宅。地下鉄の駅にムンバイ行きの航空便の広告が
出現した。結構目立つ。
金曜日の夜に酔っ払いが多いのは
世界共通なのか。