お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2023年12月10日日曜日

頭痛学会セミナー 「頭痛慢性化と中枢神経感作」

頭痛が多い状態が長期間続くと、脳がより敏感な状態になる。
これが中枢神経感作である。

中枢神経感作が起こると、痛みはもちろんのこと
めまい、たちくらみ、だるさ、不安、光音などへの過敏、におい過敏、しびれなど
実に様々なはっきりしない症状がでてくる。

まるで、不定愁訴のような様々な症状がでるのが特徴で、
どこの病院に行っても異常がなく、気のせいと扱われてしまう。

このような様々な症状は、長年徐々に悪化するため
患者さん自身も片頭痛との関連には気が付いていないことが多い。

片頭痛は、367種類ある頭痛疾患の中でも特に、痛み以外の
多彩な症状を有する疾患である。

また、頭痛発作の時のみならず、頭痛のない時でも
様々な体調不良や、精神的な不安定さをともなうことがある。

このようなはっきりしない諸症状には
少なくとも一部に中枢神経感作が関与しているのではないかと
考えている。

本セミナーでは、日本頭痛医学界のエキスパートの
先生方に中枢神経感作について深堀りしていただいた。

セミナーは満員御礼で、会場は参加者でいっぱいとなった。
いかに中枢神経感作に関心があつまっているかの
現れであると思う。

演者の先生方、またご参加いただいた多くの先生方に
感謝申し上げます。

今後、片頭痛の「発作のない時の使用」や「痛み以外の支障」について
より理解が深まり、片頭痛に対する偏見や理解不足の状況が
改善されることを切に祈っている。