頭痛が多い状態が長期間続くと、脳がより敏感な状態になる。
これが中枢神経感作である。
中枢神経感作が起こると、痛みはもちろんのこと
めまい、たちくらみ、だるさ、不安、光音などへの過敏、におい過敏、しびれなど
実に様々なはっきりしない症状がでてくる。
まるで、不定愁訴のような様々な症状がでるのが特徴で、
どこの病院に行っても異常がなく、気のせいと扱われてしまう。
このような様々な症状は、長年徐々に悪化するため
患者さん自身も片頭痛との関連には気が付いていないことが多い。
片頭痛は、367種類ある頭痛疾患の中でも特に、痛み以外の
多彩な症状を有する疾患である。
また、頭痛発作の時のみならず、頭痛のない時でも
様々な体調不良や、精神的な不安定さをともなうことがある。
このようなはっきりしない諸症状には
少なくとも一部に中枢神経感作が関与しているのではないかと
考えている。
本セミナーでは、日本頭痛医学界のエキスパートの
先生方に中枢神経感作について深堀りしていただいた。
セミナーは満員御礼で、会場は参加者でいっぱいとなった。
いかに中枢神経感作に関心があつまっているかの
現れであると思う。
演者の先生方、またご参加いただいた多くの先生方に
感謝申し上げます。
今後、片頭痛の「発作のない時の使用」や「痛み以外の支障」について
より理解が深まり、片頭痛に対する偏見や理解不足の状況が
改善されることを切に祈っている。