お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2012年10月31日水曜日

なるべく正確な情報を

昨今、いろいろな情報がインターネットや
マスコミで飛び交っている。

頭痛に関しても例外ではない。

医師の意見が全て正しい訳では
決してないが、いろいろな人が
頭痛診療に関して本当に
いろいろな意見を述べている。

時には頭痛診療に真剣に携わっている
人が、真剣につくったガイドライン
なども批判の的にされていることも
ある。

僕はこの場で、僕の意見を述べるのを
良しとしないが、いろいろと
飛び交っている情報をみていると
極めて不正確な情報も多く
目を覆いたくなることもある。

患者さんが、どの情報が正確か
見極めるのは困難だろう。

正確で公平な情報を届ける方法はないか。

自分自身への戒めとしては、自分自身が
持っている情報も、必ずしも正しくない
かもしれないという警戒心も常にもっておく
ようにしようと思う。



いろいろと

ロンドンにきて、こちらの頭痛診療のシステムが
いろいろな意味で良く整っていること
が凄く羨ましくおもっている。

もちろん良いところばかりではなく、日本の方が
すぐれている面もある。頭痛専門医の数は
英国が20-30人に対して、日本では数百人
はいる。このことは、患者さんが比較的
頭痛専門医にアクセスしやすいメリットがある。

日本も英国もどちらも良い面をもっている。
だからいろいろと考える。日本に帰って
ロンドンでの頭痛診療の良いところを
なるべく取り入れたいとおもっている。

だが、同じようなシステムをめざすのは
そう簡単ではないだろう。

システムというのは、個人で簡単に作れる
ものではなく、広い意味では社会全体を
含めた周りの理解が必要だからである。

まず、頭痛という疾患について、より理解
が深まり、社会、患者さん、医療関係者に
認知されるようになると良いと思う。

このことは、僕が頭痛の勉強を始めるずっと
前から頭痛診療に取り組んでこられた先輩方
が多大な努力をされてこられ、大分理解され
てきている方向であるとおもう。

まず、何より自分が頭痛に興味を持つように
なったのも、これらの先輩方の努力の
結果のひとつであり、感謝しないといけない。

僕は僕で、また頭痛に対して理解が深まるように
少しでも貢献するようにしたい。

話がもどるが、日本に帰った時に如何に
少ないマンパワーで効率よく、質が高く
患者さんの満足度の高い診療ができるか
いろいろと考えている。

こんな工夫はどうだろうか、などいろいろ
アイデアが浮かんでくる。こつこつと
これからもがんばろうではないか。
日本の風景は美しい。

西宮市 武庫川にて. 平成23年春

2012年10月28日日曜日

落ち葉が凄いことに

留学には何かとお金がかかるので、

留学生には多かれ少なかれ貧乏生活が
つきものである。

自分の場合も例にもれず、そこそこの節約生活
を強いられている。

それは、ある意味なかなか勉強になる
部分もある。これまで、いろいろと
無駄使いの多い生活をしてきたが、
やはりお金は大事にしなけりゃなあ
とおもう。

そんな生活も半年ほどたったのだが、
まだ3階の部屋が段ボールであふれている。
しかし、これがまた面白い。

時々、電池がなくなったとか、ホッチキスの針が
なくなったとか、プリンターのインクがなくなったり
とかする時がある。

日本なら、まあそれはそれで買えばいいわけだが、
留学節約生活中はそうホイホイと買うという
訳にはいかない(そこまで必死になって
いる訳ではないのだが、なるべく不必要な出費は
減らしたい)。

そんなときに、3階にある段ボールをごそごそと
探してみる。色んなものが次々でてくる。
そんなとき、いくつかの感情がわいてくる。

①ああ、日本でこれ使ってたなあ懐かしい
②なんでこんないらないもの沢山買ってたのかな
③よく、こんなものまでロンドンにもってきたものだ

そうした感情は決してわるい感情ではなく
なんとなく楽しい感情だ。何がでてくるか
わくわくするような感じである。

そうして、探していたものを見つけた時、
思わず「ラッキー!」
という感じで凄く嬉しくなってしまう。

ここ数日、こうやっていろいろな掘り出し物
をみつけて凄く得した気分になっている。
小さい幸せだが、何だか凄く幸福感につつまれる。
不思議なものだ。

それはそうと落葉がすごい。
雪のようにつもっている。

サマータイム終了

昨日まででサマータイムが終わった。
今、午前1時59分からまた午前1時になった。

日本との時差は8時間だったのが9時間になる。

パソコンの時刻などは自動的に修正されるが、
腕時計などは修正しないといけない。

たまたまだが、昨年と一昨年サマータイムが
終了する時にフランスにいた。

この時は飛行機の時間などのことなどあり
何となくややこしく感じたが、今回は
明日が日曜日だしどうということは無い。

最近は朝は7時をすぎても真っ暗、
夜は6時になると真っ暗だが
明日は朝は少し明るくなって
夜は5時くらいになると暗くなるんだろうな。

2012年10月25日木曜日

最近のロンドン風景

とある路地裏にて


馬は車道を歩き、車と一緒に赤信号で停止。

公園は気持ちが良い

秋の空

各種頭痛外来 -いろいろな頭痛外来-

頭痛外来と一口にいってもいろいろある。

片頭痛外来
TACs外来
三叉神経痛・顔面痛外来
BOTOX外来
GONB, MCNB(ブロック)外来
DBS, ONS(神経刺激)外来 など。


頭が痛い!

朝から、頭痛い。
ときどき頭痛はあるが、今日の頭痛はつらい。
通常、非拍動性で軽度(NRS Numeric Rating Scale: 2-3/10)くらいの
頭痛が多いが、今日の頭痛は拍動性で右後頭部
から右眼窩にかけてで、中等度(4/10)くらい。

いわゆるmigrainous symptomである嘔気、労作による
頭痛増悪もある。

あまりのみたくないが、ロキソニンとナウゼリンを
早めに服用した。

僕の場合、トリプタンよりこの組み合わせがあっている。
トリプタンを服用すると少し胸の違和感がでたり、
ぼーっとするような感じになる。

昔から、寝すぎ、疲れ、アルコール、長時間のフライト
などが誘因であった。最近はストレスも引き金になることがある。

小さい時には車酔いなど
もあったし、軽度のアレルギー体質でもある。
(片頭痛で車酔いの経験が多いとかアレルギー体質の人が
多いという意見もある)

実は頭痛を勉強するまで、自分の頭痛がしっかり
診断できていなかった。また、誘因も何となく分かっている気が
したが、自分で頭痛日記を半年ほど付けてみて明確に
なった。

これまでは肩がこるし、そうひどくもないし、拍動性でもないから
緊張型頭痛かななんて思っていた。

片頭痛といえば、大学時代の教科書では拍動性、
片側、前兆をともなうなんて古典的な頭痛の
症状しかかいていなかった。

実は多くの人が、日頃経験するわずらわしい頭痛は
かなりの割合で片頭痛だ。

片頭痛には、片頭痛の扱い方がある。週に2回くらいの
鎮痛薬服用で特に問題なく生活できている人はいいが、
鎮痛薬でおさまらないとか、頻度が多いようなら一度
頭痛外来でアドバイスを受けるべきだ。

さて、そうこうしているうちに頭痛が和らいできた。
僕にとってロキソニンとナウゼリンの組み合わせは最高だ。
実は、頭痛を勉強する前からこの組み合わせは
ずっと使ってきた処方だ。というのも軽い嘔気があったから。

それが、良くきくと自分でしっていた。だが、頭痛をよく勉強し
自分の頭痛が片頭痛だとわかってから、この組み合わせの
意味、つまりナウゼリン(ドンペリドン)追加の重要さ
をしった。つまりナウゼリンが吐き気にきくだけでなく、
片頭痛発作時に弱まった消化管の動きを促進し鎮痛薬
の吸収をたすけ、さらにはナウゼリン自体に片頭痛を
改善するような作用がある。

*薬物乱用頭痛(鎮痛薬を月に10日以上服用すると
よけいに頭痛が悪化して、さらに鎮痛薬を服用するという
悪循環におちいる)を防ぐため、ロキソニンなしで
ナウゼリンだけ早めに服用するという方法もある。
ナウゼリンだけで頭痛がおさまるケースもある。
ナウゼリンは服用回数が増えても薬物乱用頭痛に
ならないとされる。ナウゼリンだけで頭痛がおさまる
なら、それに超した事はない。

僕の頭痛はロキソニンだけでは効かないが、ロキソニンとナウゼリン
を併用すればおおむね収まるし、程度も軽度~中等度で
月に数回くらいだから、頭痛患者としては
まあそれほど困った状態ではない。

しかしそれでも、頭痛は厄介で本当にうっとうしいし、
頭痛がおこると何もやる気がでない。

だから、高度の頭痛が、高頻度にある人たちは
本当につらいと思う。ましてや、各種頭痛頓挫薬や
各種頭痛予防薬が効かない状態が何年も続く
なんていうのは本当に苦渋だろう。
頭痛は自分にしかわからないから、
普段頭痛がなくて、風邪の時に頭痛があるだけの人にとっても
頭痛だし、毎日高度な頭痛でなやまされて、仕事もできない
状態の人も頭痛ということになる。

だから、頭痛ぐらいでさぼるなよ!なんてことになる。
本当は生活に支障を及ぼすような疾患としての頭痛と、
一過性の症状としての頭痛の名称をもっと明確にわけるべきだと
思っている。例えば、症状の頭痛は「頭痛」、疾患としての
頭痛は「○○○症」などと。本来はそれに当たるのが、
国際頭痛分類の頭痛診断名になるわけだが、
頭痛を勉強する前の僕をふくめ、実際のところ多くの医師が
頭痛を診断できていない。頭痛は細かく分類すると
実に200種類くらいあるのだ。

日本で、頭痛診療の裾野がひろがり多くの頭痛に正確な
診断名をつけられることを願ってやまない。

*2013/06/08「朝から頭痛」に関連記事あり。

*2013年10月12日の「頭痛」の記事もお読みください。

2012年10月24日水曜日

頭痛診療雑感

 自分は記憶力や理解力も良い方じゃない。

要領もあまり良い方ではない気がしている。

だから、こちらの先生みたいに先進的な素晴らしい診療をするというのは

帰国してもなかなか難しいかもしれない。

しかし、なるべく丁寧な質の高い頭痛診療をめざそうと思っている。

常に、こつこつと質の高い診療をするように心がければ、

その継続がやがて実をむすび、素晴らしい、までは行かないだろうが、

なかなかいいな、と思えるくらいの診療はできるのではないか。


 英国は、頭痛診療のシステムが整っている。頭痛専門医が

難治性頭痛の診療に専念できる環境がある。これは他の欧米の

頭痛センターや頭痛クリニックでも同様のようだ。

このため、比較的先進的な医療を積極的に推し進めやすい

環境にある。頭痛診療だけで採算がとれているかどうか

分からないが、社会が頭痛診療が必要である

と考えているのだろう。これは羨ましいとおもう。




2012年10月23日火曜日

理想的な紹介状とは

情報診療提供書、紹介状とは医療機関間で患者さんを紹介したり、

情報をやりとりするための手紙である。

こちらにきて驚いた点は、紹介状が非常に詳細であることである。

だいたいA4の用紙に2枚から3枚、多いときで4枚くらいになる。

これまでの病歴や診断、頭痛の詳細、診断に至った過程、内服歴、検査歴、

今後のマネージメント予定などについて記載されている。

とくに頭痛の症状については極めて詳細にかかれており、紹介状を

みるだけで、リサーチが可能なほどの情報量だ。

これらの内容は、良く見てみると、すべて一定の順序で記載されていて

系統だっている。


だいたい一人の診察に少なくとも30分から1時間かけているが、

診察が終わると主治医はボイスレコーダーに向かって数分間、一気に

診察内容を読み上げる。これを後で秘書がタイプするシステムになっている。

このようなシステムに支えられて、詳細な紹介状が維持されている。

すばらしいと思うが、人件費の面で日本では難しいだろうなあ。


Migraine equivalentについて

Migraine equivalentはいろいろあるけれど、はっきりとこれこれと書いてあるものは少ない。

Cyclical vomiting, Abdominal migraine, Benign paroxysmal vertigo以外に、

Benign paroxysmal torticollis、Recurrent vertigo、Motion sickness、Hangover

などがあるが、これだけなのか。Migraine equivalentはmigraineを診断する上で

重要な問診事項だ。

しかし、migraineもいろいろと奥が深い疾患だなあ。


dairy, diary, daily

ややこしい

dairy
diary
daily

2012年10月21日日曜日

2012年10月20日土曜日

週刊ジャーニー

ロンドンで広く読まれている日本語情報誌。
無料で、日本人の立ち寄りそうな店などどこでも置いてある。
毎週木曜日の発行であるが、日本の話題をタイムリーに届けてくれる。


2012年10月19日金曜日

生ぬるい空気


さあ帰ろうか。空気が湿っていて、なんとなく生ぬるい。


頭痛修行


こちらで頭痛修行は、楽ではないがとても意義あることのように思う。

 本当に知らないことだらけだ。ここまで詳細に病歴を聴取し、極めて詳細な体系だった治療方針にそって治療がなされ、めったに出会わないような稀な頭痛を診療している環境に日々接していることが出来ることはそうないだろう。単なる知識としてではなく体感できる臨床現場を目の当たりにできていることは大きな意義があると思う。

僕の中での頭痛診療の精神みたいなものが築き上げられていくような気がする。たぶん、このことは表面的には誰にも分からないだろう。そして、ここに留学したからと言って臨床能力が急に上がったというわけではないだろう。

しかし、繰り返しになってしまうが、言葉や数字に表わせない何かを日々吸収している気がする。時に弱気になり無力感におおわれることもあるが、そこで踏ん張っていけば目に見える成果がなくとも、何かを得られているような気がする。

このことは、将来の僕の頭痛診療に大きな影響を及ぼすことだろう。
もうひと頑張りするか。


先週の日曜日、夕陽がとてもきれいだった。

2012年10月11日木曜日

送金と為替

留学するまで、日々のおおよその為替相場はニュースなどで

把握していたものの、それほど意識していなかった。

留学してからは毎日為替とにらめっこ。

どのタイミングで、いくら送金するのか。

もう少し待つのが良いのか、今送金するのか。

多めにするか、少しにするか。

一応、過去の長期的な変動を把握して

このくらいまで下がれば幾ら送金して、

このあたりなら、このくらい送金しよう

なんていう、だいたいの目安は持っている。

が、そんな理想通りに相場が動くわけがない。

為替も毎日見ていると面白い。

オリンピックや、日本外交などの状態が

微妙に影響している様子が分かる。

銀行の手数料が高いか低いかということも

大事かもしれないが、むしろ為替の影響が大きい。

最近ポンド少し高めの日々が続いていたけど、

今日は少し安いのかな。

数年前なんて1ポンド 250円。

今は125-135円くらいでうろうろしている。

数年前でなくてよかった。本当に。

ポンドはかなり安くはなっているが(以前が高すぎた?)、

それでもイギリスの家賃は驚くほど高い。

さて、どうしよう。

行きますか?待ちますか?


2012年10月10日水曜日

日本祭り 2012


「日本祭り in ロンドン」

先週の土曜日に、ロンドン中心部のトラファルガー広場で

JAPAN MATSURI 2012が開かれていました。

日本の特産品や、和菓子、食器などの紹介や販売のほか

のど自慢大会などが行われていました。

会場には1000人ほどの人がいました。

日本人のみならず、いろいろな国の人が来ていました。







スランプ


最近、時々弱気になっている。

捨てるものは、無いはずだから
前へ進め。
時間は限られている。


2012年10月8日月曜日

うまくいかない時期


自信過剰はよくないが、自虐的思考弱気は時間の無駄。

Chronic migraine and CSF pressure

CM and BMI>30------>>>> CSF pressure should be checked by Lumber puncture

Nat Clin Pract Neurol. 2008 Aug;4(8):422-3.
Chronic migraine: (when) should we measure CSF pressure?
Paemeleire K.




The authors suggestion; Obese patients ought to be evaluated at time of diagnosis.
                                       We have to rule out idiopathic intracranial hypertension without papilledema(IIHWOP).
 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18612326


Cephalalgia. 2008 Jun;28(6):609-13.
Idiopathic intracranial hypertension with and without papilloedema in a consecutive series of patients with chronic migraine.

Vieira DS, Masruha MR, Gonçalves AL, Zukerman E, Senne Soares CA, Naffah-Mazzacoratti Mda G, Peres MF.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18384415


 

2012年10月3日水曜日

夏の思い出

「日本の夏は最高!」

デジカメのSDカードが一杯になったので、整理。
頭痛専門医試験の時に、とんぼ返りで数日帰国した時の写真があった。
やはり、くらくらするほど暑い日本の夏が最高だ。

関空に到着。日差しがまぶしい。

強烈に暑い。くらくらするほどだった。
耳をつんざくような蝉の声がよみがえってくる。

日本の夏。
やはり、夏は暑いほうがいい。
元気な日本の夏が最高だ!

「高校生の新基礎からの英語」 高梨健吉著

頭痛のブログのはずが、少し脱線気味ですが。

美誠社の「高校生の新基礎からの英語」 高梨健吉著
という参考書があります。

僕が高校に入学した時に、授業で使っていたものです。
15歳の頃に購入したものなので、いったい何年前になるでしょうか。

当時、とても分かりやすかったのでとってありました。

小中高の教科書で唯一今でもとってあるものです。

高校卒業後、ほとんど開くことはなかったのですが、
最近ちょこちょこ使っています。

当時、名著で多くの高校生が使っていたと思うのですが、
今は絶版とのことです。

一度、よく勉強した本というのは何年たっても
もう一度勉強するときに入っていきやすいものです。

とっておいて、よかった!

高梨健吉著 高校生の新基礎からの英語 美誠社 1988