ときどき頭痛はあるが、今日の頭痛はつらい。
通常、非拍動性で軽度(NRS Numeric Rating Scale: 2-3/10)くらいの
頭痛が多いが、今日の頭痛は拍動性で右後頭部
から右眼窩にかけてで、中等度(4/10)くらい。
いわゆるmigrainous symptomである嘔気、労作による
頭痛増悪もある。
あまりのみたくないが、ロキソニンとナウゼリンを
早めに服用した。
僕の場合、トリプタンよりこの組み合わせがあっている。
トリプタンを服用すると少し胸の違和感がでたり、
ぼーっとするような感じになる。
昔から、寝すぎ、疲れ、アルコール、長時間のフライト
などが誘因であった。最近はストレスも引き金になることがある。
小さい時には車酔いなど
もあったし、軽度のアレルギー体質でもある。
(片頭痛で車酔いの経験が多いとかアレルギー体質の人が
多いという意見もある)
実は頭痛を勉強するまで、自分の頭痛がしっかり
診断できていなかった。また、誘因も何となく分かっている気が
したが、自分で頭痛日記を半年ほど付けてみて明確に
なった。
これまでは肩がこるし、そうひどくもないし、拍動性でもないから
緊張型頭痛かななんて思っていた。
片頭痛といえば、大学時代の教科書では拍動性、
片側、前兆をともなうなんて古典的な頭痛の
症状しかかいていなかった。
実は多くの人が、日頃経験するわずらわしい頭痛は
かなりの割合で片頭痛だ。
片頭痛には、片頭痛の扱い方がある。週に2回くらいの
鎮痛薬服用で特に問題なく生活できている人はいいが、
鎮痛薬でおさまらないとか、頻度が多いようなら一度
頭痛外来でアドバイスを受けるべきだ。
さて、そうこうしているうちに頭痛が和らいできた。
僕にとってロキソニンとナウゼリンの組み合わせは最高だ。
実は、頭痛を勉強する前からこの組み合わせは
ずっと使ってきた処方だ。というのも軽い嘔気があったから。
それが、良くきくと自分でしっていた。だが、頭痛をよく勉強し
自分の頭痛が片頭痛だとわかってから、この組み合わせの
意味、つまりナウゼリン(ドンペリドン)追加の重要さ
をしった。つまりナウゼリンが吐き気にきくだけでなく、
片頭痛発作時に弱まった消化管の動きを促進し鎮痛薬
の吸収をたすけ、さらにはナウゼリン自体に片頭痛を
改善するような作用がある。
*薬物乱用頭痛(鎮痛薬を月に10日以上服用すると
よけいに頭痛が悪化して、さらに鎮痛薬を服用するという
悪循環におちいる)を防ぐため、ロキソニンなしで
ナウゼリンだけ早めに服用するという方法もある。
ナウゼリンだけで頭痛がおさまるケースもある。
ナウゼリンは服用回数が増えても薬物乱用頭痛に
ならないとされる。ナウゼリンだけで頭痛がおさまる
なら、それに超した事はない。
僕の頭痛はロキソニンだけでは効かないが、ロキソニンとナウゼリン
を併用すればおおむね収まるし、程度も軽度~中等度で
月に数回くらいだから、頭痛患者としては
まあそれほど困った状態ではない。
しかしそれでも、頭痛は厄介で本当にうっとうしいし、
頭痛がおこると何もやる気がでない。
だから、高度の頭痛が、高頻度にある人たちは
本当につらいと思う。ましてや、各種頭痛頓挫薬や
各種頭痛予防薬が効かない状態が何年も続く
なんていうのは本当に苦渋だろう。
頭痛は自分にしかわからないから、
普段頭痛がなくて、風邪の時に頭痛があるだけの人にとっても
頭痛だし、毎日高度な頭痛でなやまされて、仕事もできない
状態の人も頭痛ということになる。
だから、頭痛ぐらいでさぼるなよ!なんてことになる。
本当は生活に支障を及ぼすような疾患としての頭痛と、
一過性の症状としての頭痛の名称をもっと明確にわけるべきだと
思っている。例えば、症状の頭痛は「頭痛」、疾患としての
頭痛は「○○○症」などと。本来はそれに当たるのが、
国際頭痛分類の頭痛診断名になるわけだが、
頭痛を勉強する前の僕をふくめ、実際のところ多くの医師が
頭痛を診断できていない。頭痛は細かく分類すると
実に200種類くらいあるのだ。
日本で、頭痛診療の裾野がひろがり多くの頭痛に正確な
診断名をつけられることを願ってやまない。
*2013/06/08「朝から頭痛」に関連記事あり。
*2013年10月12日の「頭痛」の記事もお読みください。