こちらで頭痛修行は、楽ではないがとても意義あることのように思う。
本当に知らないことだらけだ。ここまで詳細に病歴を聴取し、極めて詳細な体系だった治療方針にそって治療がなされ、めったに出会わないような稀な頭痛を診療している環境に日々接していることが出来ることはそうないだろう。単なる知識としてではなく体感できる臨床現場を目の当たりにできていることは大きな意義があると思う。
僕の中での頭痛診療の精神みたいなものが築き上げられていくような気がする。たぶん、このことは表面的には誰にも分からないだろう。そして、ここに留学したからと言って臨床能力が急に上がったというわけではないだろう。
しかし、繰り返しになってしまうが、言葉や数字に表わせない何かを日々吸収している気がする。時に弱気になり無力感におおわれることもあるが、そこで踏ん張っていけば目に見える成果がなくとも、何かを得られているような気がする。
このことは、将来の僕の頭痛診療に大きな影響を及ぼすことだろう。