お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

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2012年9月22日土曜日

EHMTIC2012 雑感

留学生活もスマートな留学もあれば、もがいてあがくような留学生学生活もあるだろう。
僕の場合は後者だろうな。とはいっても世の中には、もっと苦しんでる人も大勢いるわけで、
僕のもがきなど、お坊ちゃまの泣きごとに過ぎないのだが。

それはさておき、9月20日木曜日から明日までヨーロッパ頭痛学会EHMTIC2012が
開催されている。ラッキーなことに会場が、現在住んでいるロンドンで行われている。

なぜ、ラッキーか? もちろん、交通費がタダだからである。

学会には、恩師の先生やお世話になっている頭痛の専門医の先生が日本から
少なからずこられていた。とにかく、僕はそれが凄くうれしかった。
ひさしぶりに気の知れた人達と、ゆっくり話ができたし、数カ月ぶりに酒ものんだ。

ささくれていた僕の心に、暖かい風がすうっと入ってきたようで、すごくうれしかった。
そんな学会も明日で終了。みんな、日本に帰ってしまう。月曜日から僕も現実にもどって、
また修行が続く。

今日は、だいぶ飲んだので、帰り地下鉄を乗り過ごし、午後11時を過ぎて帰宅。
家族には申し訳なかったとおもう。しかし本当に楽しい時間だった。

まあ、いいじゃないか。
来週から、またもがいてやろうじゃないですか。

Good Luck!

2012年9月17日月曜日

今後にむけて

頭痛診療を、何年か一生懸命やってきたし、
勉強も一生懸命していたつもりだったが。
何となく分かったつもりでいた頭痛診療。
実はうわべだけの理解にとどまっていたようだ。

こちらへきて、いかに自分が何も知らないかを
思い知らされている。

臨床はもちろん、研究においても
まだ、頭痛学の全貌がよく把握できていない
ようだ。

つまり、頭痛学がどのように発展してきたのか。
ICHD-IからIIになり、IIIになろうとしているが、
その過程には、いろいろな臨床的問題点があり、
それが時代の中で解明され次のステップに
進んできたわけだ。

頭痛学の大きな流れのなかで、何が問題点
で、何が求められているか。当たり前のことだが、
それは教科書にすべてのっている訳ではない。

日々、頭痛と向き合い、丹念に文献を読み込み、
頭痛学の流れ、全貌の把握に努める事が
喫緊の課題だ。

どのように頭痛診療が発展してきたのか、
そのようなことも含めて、理解していかないと
全貌が見えてこないし、全貌が見えてこなければ
何が問題で、何が求められているかも
わかないであろう。

日本で、頭痛に関する書籍をよみあさり、
文献も多少は読んでいたつもりだったが、
非常に甘かったことに気がついた。

毎日、自分がいかに努力を怠ってきたのか
身をもって体感する日々である。

辛抱して努力を怠らなければ、
いずれトンネルからでることが
できるであろう。

何年か後に、この経験は良いこやしに
なっていることだろう。

SUNCT治療


文献的には保存的治療

ファースラインは,    ラモトリジン, リドカイン(iv)

セカンドライン,    ガバペンチン, トピラマート
サードライン,     ステロイド, カルバマゼピン,
オキシカルバゼピン(日本未発売?), リドカイン(intranasal mouthwash)
となっているようですが、日本では、どのように治療
されているのでしょうか?
 
残念ながら,  今のところ僕は治療経験がありません。
 
*201298日土曜日の記事参照


J Am Dent Assoc. 2008 Dec;139(12):1616-24.
Trigeminal autonomic cephalalgias: a review and implications for dentistry.
Balasubramaniam R, Klasser GD, Delcanho R
これは歯科医むけのようでが、コンンパクトにまとまっていました。

2012年9月16日日曜日

ロンドンの休日


日曜日に、トラファルガー広場からコベントガーデンまで散歩。
トラファルガー広場のライオンは子供たちに人気です。
近くで見るとかなり大きなライオンです。
また、結構高いところにあり、すべり落ちたら大変です。
奥に見えるのが、ナショナルギャラリーで入場は無料です。



広場南側のロータリーで旧型のルートマスターを見つけました。

東京三越本店のライオンのモチーフになったとされています。
三越のライオンが出来たのが100年近く前ですので
このライオンは一体いつごろ出来たのでしょうか。

トラファルガー広場の噴水。


ナショナルギャラリーから広場とビッグベンを望む。


コベントガーデン付近。急に晴れてきて暖かくなってきました。

コベントガーデンの大道芸人。いつも大道芸人でにぎわっています。


ロンドンの天気は変化しやすいです。
雨が降っていても、しばらくすると晴れていたりします。
一日の中に四季があると言われています。

2012年9月15日土曜日

頭痛学会専門医

8月初旬に、東京で頭痛学会専門医の試験があった。
数日、とんぼ返りで帰国して試験を受けた。数ヶ月間家族以外と
ほとんど日本語を話していなかった。
これまで、長期に日本を離れたことがなかったので
関西空港についたとき、ああ、日本だ!と嬉しくなった。
取り敢えず、関西空港でうどんを食べたのだが、
嬉しくて嬉しくて仕方なかった。まわりの人が喋っている
雑談が全部聞き取れて、凄くうれしかった。

その後、東京に移動したのだが、ホテルについたのは自宅を
出てから24時間以上たっており、ふらふらだった。

試験会場では思ったより受験者は少なかった。なんだか、
僕だけ大きなトランクを抱えて少し自分でも滑稽だった。
とにかく、ロンドンと違い東京はうだるように暑かった。
時差と、暑さの影響で現実感がなかった。

それはさておき、今日頭痛専門医の結果が届いていた。
無事合格であった。

確かに、これで頭痛専門医になったわけだが、
まだ、本当の意味での頭痛専門医ではないだろう。

本当の頭痛専門医は、もっともっと修業をして、苦労をして、
難しい症例と数多く向き合って、もっともっと勉強を
しなければならない。

僕にとってはこれがスタートだ。これで頭痛をやっていく
ゴーサインはいただいたといった状況で、これからこそが
本当の頭痛専門医をめざして精進してゆく長い長い修業だ。

さあ、気合いを入れなおして頑張ろう!

リフレッシュ

土曜日はお休みでしたので、自宅近くの公園に出かけました。
英国の公園は、花と緑が非常に多くとても広くて気持ちの
良いところです。ストレス解消に良い環境です。


花がきれいです。


広々した公園です。


天気がよく気持ちの良い土曜日でした。





新規発症持続性連日性頭痛の診断基準どうなる?

新規発症連日性頭痛

片頭痛様の症状を有するためにNDPHと診断できない症例が多く
、複数の論文でICHD-II診断基準の改訂を提言している。

ICHD-IIIでは何らかの動きがあるか??

それにしても2004年の高瀬先生の30例を報告した論文は凄いインパクトだ。
NDPHについて記載された論文のほとんどに引用されている。

2011 Nov;31(15):1561-9.
New daily persistent headache: should migrainous features be incorporated?
 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21960650

三十三間堂の境内です。日本にいた時の写真です。
懐かしいなあ。やはり日本が一番いいですね。

有名な頭痛お守り。頭痛持ちなら、もしくは頭痛医なら
是非一度は訪れたい。
 

2012年9月14日金曜日

DHE入院について

(*この記事と前後して、英国でのDHE注の製造は終了となった。)

DHE(ジヒドロエルゴタミン)は、エルゴタミンとともに麦角系の薬剤である。
エルゴタミンは1925年から、DHEは1945年から片頭痛治療に
使用されている古い薬である。

1990年代に入り(日本では数年後)トリプタンが使用できるようになったものの
一定の割合でノンレスポンダーもいる。再発する片頭痛に対する処方を含め、
片頭痛治療の非トリプタンオプションとして重要である。

いずれも、嘔気や血管系副作用が問題となるが、DHEはエルゴタミンにくらべて
以下の特徴がある。


①DHEはエルゴタミンと同等の効果があるが、血管収縮や嘔吐の副作用が少ない。
②エルゴタミンでは薬物乱用頭痛になるが、DHEによる薬物乱用頭痛はまれである。
③片頭痛の再発が少ない。

また、作用時間がながいという特徴がある。
日本では未発売で、慢性頭痛診療ガイドラインにはGroup4で
有効、副作用に注意となっている。

こちらの病院にはDHE入院という入院がある。おもな目的は薬物乱用頭痛の断薬、
慢性片頭痛、慢性群発頭痛の治療などである。
通常の予防治療ではどうしても効果がない症例に対して行われる点滴治療である。
エルゴタミンに比べて副作用が少ないとはいえ、
嘔気なども伴うため、5日間の入院して、嘔気止めの点滴や
こむら返りにたいする鎮痛薬なども合わせて行われる。なお、群発頭痛では
トリプタンとの併用ができないため、この間は酸素で対応する。

作用持続時間が長く、人にもよるが1~2カ月効果がある。3~4カ月ごとに使用可能
であるが、何年も行うものではないという。あくまで一時的な予防である。この間に頭痛が
改善すればよいのだが、改善しないようであれば、ボトックスや神経刺激療法術など次の
手段を考慮していく必要がある。

このようなDHEであるが、最近の新しい話題としては、吸入DHEである。点滴DHEにくらべて、
嘔気の副作用がすくなく、共存症として多い喘息でも有意な副作用なく使用できるとのことである。
Silbersteinはレビューの中で、吸入DHEは便利で副作用がよりすくなく、
中から高度の片頭痛治療のファーストラインとして考慮されるべきと
述べている。

2012 Sep;13(13):1961-8. Epub 2012 Aug 4.

MAP0004: dihydroergotamine mesylate inhalation aerosol for acute treatment of migraine

Silberstein S.


2012年9月13日木曜日

英国の頭痛専門医


全英で20人ぐらいとのこと.

GPwSI*in headacheも10-20人ぐらいとのこと.

     *General Practitioner with a Special Interest

専門医試験などはない.

頭痛クリニックは全英で30ぐらいとのこと.

ただ、英国の頭痛専門医は完全に頭痛に特化しているようだ.

>>>please see Nov. 9th

2012年9月12日水曜日

頭痛診療

こちらへ来て非常に印象深いことがある。

それは、頭痛診療が極めて、アグレッシブである点である。難治性の頭痛に対して一切妥協していない。そもそも外来に通院している患者さんは、いくつかの神経内科医やGPをへて、1年にわたる予約待ちを経てようやく頭痛外来にたどりついている患者さんのみである。さらに何年も頭痛外来で治療を続けている人も多い。そのような中で、頭痛を治すことが最重要課題となっている。それは当然だろう。外来で診察の様子を見ていると、主治医はこのような患者さんに果敢にとりくんでいる。ファーストラインの治療がターゲットドーズに達して、効果がなければ、治療薬のレジメンを変更し、次の薬剤のターゲットドーズを目指す。つまりファーストラインが無効なら、患者さんの状態をみながら、じっくり相談の上で、セカンドライン、サードラインへと移ってゆく。その中で、後頭神経ブロックや、ボトックス、神経刺激療法の手術なども選択されていく。

頭痛診療自体が、非常にアグレッシブで、手をこまねいている様子がない。患者さんの状況をみながら、戦略的に、積極的に、果敢に頭痛に立ち向かっていく様は、まるで外科医のようだ。頭痛医の果敢さは目を見張るものがある。

ある一定の割合の患者さんが比較的順調な経過をたどり、それ以外の困難な患者さんがいる場合と、全ての患者さんが難治性患者さんの場合では少し対応がことなるのかもしれない。

それでも、一人あたりの診察時間はたいてい30分から場合によっては1時間近くにおよぶ。この間、もちろん傾聴の場面もあるし、症状を、繰り返し、確認しながら、極めて極めて詳細に、極めて正確に、広範囲に聴取する事と、治療が有効であったか、無効であったか、有効であったならどのくらい有効であったかを判断する事、そして次のステップの治療の説明とそのエビデンスの説明の時間にもあてている。

このような頭痛外来にふれることができていることは、僕にとって非常に刺激的だし、自分の将来の頭痛診療の方向性に多大な影響を及ぼすとおもう。

2012年9月8日土曜日

ロンドン塔

天気が良かったのでロンドン塔に行って来ました。

ロンドン塔はカラスが有名です。

内部はこんな感じです。

牢獄と聞いていたのですが、明るい街のような雰囲気でした。

ロンドン塔からタワーブリッジが見えます。
パラリンピックのマークが飾り付けてあります。

古い路地の様です。

外観はやはり少し硬い印象がありますね。

SUNCT

SUNCTの患者さんは、まれな頭痛だが、留学先の病院にはとても多い。
日本にももちろんおられるし、報告もされているが、
僕自身はまだ見たことがなかった。

神経刺激療法の手術後の方だが、診察中に何度も発作がおこる。

急に、片側に涙と鼻水がでたと思ったら、非常につらそうな頭痛がおそってきて
座っておられず、歩きだす。そしてほどなくして発作が治まる。

そんな発作が、しばらくしてまた起こってくる。それの繰り返しだ。
SUNCTはこんな感じなんだな、としりました。

本で読んでいても、実際みないと分からない。

かなりつらそうな頭痛である。
たかが、頭痛ではない。慢性頭痛は専門医の治療を必要とする
大変な疾患である。

2012年9月7日金曜日

睡眠時頭痛


睡眠時頭痛はまれな疾患. だからこそ、しっておく
まれな疾患だからこそ, よく理解していないと見逃してしまう.
こちらのDR, このような まれな疾患でも,  過去のケースレポートレベルから最新の論文
まで, 極めて広範囲に熟知している.
Specialistは、そうあるべきである。


治療のオプションが,  複数紹介されている極めて有用な文献です
治療?  ときかれて,   「カフェインです」  答える だけでは
あまりよくないようです。

*もちろん、まれな頭痛は診断だけできれば後はゆっくりしらべれば
よいのだが、このように広く、深く熟知しておくことは重要だと思う。



Curr Treat Options Neurol. 2012 Feb;14(1):15-26.

Hypnic headache: clinical course and treatment.

Diener HC, Obermann M, Holle D.



Ann Neurol. 2011 Mar;69(3):533-9. doi: 10.1002/ana.22188. Epub 2010 Nov 8.

Hypothalamic gray matter volume loss in hypnic headache.

Holle D, Naegel S, Krebs S, Gaul C, Gizewski E, Diener HC, Katsarava Z, Obermann M.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21446025


夕暮れ時になって、疲れて集中できず、近くの公園で遅い昼食の
サンドイッチを食べた。昼食を食べる時間がなかったわけでは
なかったのだが。

中心溝とCSD

中心溝が一次感覚野と運動皮質を分けている。このため、片麻痺性片頭痛のCSDは脳表面の長い距離を伝わるか、脳の深いところを通らなければ感覚から運動皮質へ広がることができない。そのため中心溝が運動皮質が影響をうけることを防いでいる可能性がある。つまり運動前兆はまれである。
CSDはvisual>sensory>motor>aphasic>basilarの順で進行するんですね。途中で中心溝がありCDSの進展を防いでいるんですね。

下記文献は何度も登場しているが、現在SHM,FHMのレビューのなかでもっともまとまっている
非常に重要な文献です。お勧めです。

Lancet Neurol. 2011 May;10(5):457-70. Epub 2011 Mar 30.
Sporadic and familial hemiplegic migraine: pathophysiological mechanisms, clinical characteristics, diagnosis, and management.
Russell MB, Ducros A.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=mb%20russell%20sporadic%202011

前兆。陽性?陰性?

Visual aura,Sensory aura, Basilar-type auraには陽性と陰性の前兆があるが、

Motor aura, Aphasic auraには陰性前兆しかない。


Intriguingly, aphasic and motor auras result in only negative symptoms.




Lancet Neurol. 2011 May;10(5):457-70. Epub 2011 Mar 30.
Sporadic and familial hemiplegic migraine: pathophysiological mechanisms, clinical characteristics, diagnosis, and management.
Russell MB, Ducros A.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=mb%20russell%20sporadic%202011

ONS DBS





とてもまとまった文献です。
ONSの慢性片頭痛、慢性群発頭痛に対する成績や、DBSの群発頭痛に対する成績
などがまとまっています。また、各種刺激療法をまとめた図が非常に分かりやすく
のせてあります。
 
Lancet Neurol. 2012 Aug;11(8):708-19.
Advances and challenges in neurostimulation for headaches.
Magis D, Schoenen J.
Headache Research Unit, Department of Neurology, University of Liège, Belgium.

通勤でつかう地下鉄。トンネル開通が古く
直径が狭いため列車も非常に狭い。

2012年9月2日日曜日

パラリンピック


オリンピックは終わりましたが、パラリンピックが盛り上がっています。

ロンドン東部の会場 EXCEL

新記録がでました。


金メダルを受け取り嬉しそうです。