英国では、GPのなかでも特に頭痛に関心のある医師はGPwSI* in headacheという称号を持っている。* General Practitioner with Special Interest
しかし、基本的に頭痛専門医は神経内科医である。
一方、日本では日本頭痛学会の頭痛専門医は神経内科医、脳外科医はもちろん、内科医、心療内科医、ペインクリニック医、歯科医、口腔外科医、漢方医、救急医、小児科医、皮膚科医、産婦人科医など非常にバラエティーにとんでいる。
頭痛の領域は神経内科だと思う。今のところ僕は一般内科医である。頭痛を学ぶには神経内科のスキルは必須だと思うので、興味があるし今後、絶対に学んでいかなければならないと思う。
つまり、僕の考えとしては、頭痛をする以上、神経内科の知識を是非習得するべきと考えているが、日本頭痛学会の各科の医師を頭痛専門医と認めている奥深さは、素晴らしいと思う。
なぜなら、頭痛は脳神経の問題のみならず、患者の社会的背景や、潜在する精神心理的背景、身体疾患などが複雑に関与していることが多いからである。各方面から頭痛疾患を考えていくことは重要である。
中山書店の「小児の頭痛 診かた治し方」(五十嵐隆先生編集)の序には
- 頭痛の原因疾患はきわめて多彩であり、原因となる疾患によって対応法もまったく異なるものとなる。頭痛の診療に際しては、各疾患に対する理解はもとより、上手な問診の能力、神経学的診察法、検査の選択や評価、さらには心理学的アプローチの技術も要求される。治療においても、適切な薬剤選択と具体的な生活指導のみでなく、患児や家族が理解できるようなわかりやすい説明が極めて重要であり、場合によっては幼稚園や学校など周囲への対応も必要となる。“頭痛は究極の総合診療である”といわれる所以である。-
と記載されている。
これは重要なことであるとおもう。日本の頭痛専門医事情はめずらしいのかもしれないが、日本には日本のやり方があってよいと思う。日本頭痛学会は素晴らしい奥深さをもっていると思う。
[追]
バッキンガム宮殿にて。西洋の美学ですね。 |