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●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

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2012年8月21日火曜日

処方薬

7月2日のNeurostimulation for chronic headacheは受け入れられるか?の記事と重複するかもしれないが。

片頭痛の予防薬として、抗うつ薬や抗てんかん薬、降圧薬、その他いろいろとあるが、日本で外来をしているときに、片頭痛の予防目的でこれらの薬剤を処方しようとしても、患者さんは少なからず抵抗感を示す。

必要性やこれまでのエビデンスなどをきっちり説明しても「えっ、てんかんのお薬ですか?」とか「うつ病ってことですか?」とかいう反応があり、なかなか治療が進みにくい。ようやく納得してもらっても、薬局で再びてんかんの薬とか、うつの薬という説明をうけて次回来院時に服用できていないケースは多い。これは僕の説明の仕方が悪いのもあるかもしれないが、医師の間では良く聞く話である。

一方、こちらの病院で外来をみていると、医師は抗てんかん薬とか、抗うつ薬とか同じように説明している。また、Methysergideのような副作用のある薬剤についても、きっちり副作用を説明しているが、不思議なことにこれまでのところ、薬剤の受け入れに関して抵抗感を示す患者さんをみていない。みんな、真剣に医師のいうことを聞いており、時折Yes.とかRight.とかSure.とか返事をしながら、むしろ新たな治療のステップに可能性を見出し、ありがたく受け入れているようである。

もちろん、頭痛外来初診予約待ちが1年以上あり、来院している人はみんな何年も連日性頭痛に悩まされている状態であるから、医療機関を比較的早期に受診しやすい環境の日本の患者さんとは背景が少し違うのかもしれないが。

ただ、頭痛に対するNeurostimulationの受け入れについて先日記載したように、もしかすると英国(欧米?)の人の方が、治療薬や治療法について日本人よりも、少し客観的にみているような気がしてならない。これに関しては、何の根拠もなくただの推測にすぎないが、こちらへきて数カ月がたち、そんなふうに感じている。