お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2012年6月25日月曜日

頭痛外来は1年待ち!

英国では、基本的に地区の家庭医(GP)に登録することになっている。日本では大学病院でも、専門外来でも直接受診することができるが、英国ではまずGPを受診して、必要があると判断された場合は、GPから専門医に紹介するシステムとなっている。GPを含め公的病院(NHS:National Health Service)は、診察代、薬代を含めて全て無料である。

頭痛に関しても、すべてまずGPが治療を行う。英国ではGPはもともとGPになるための教育をうけており、基本的な疾患については内科、外科、小児科、産婦人科、皮膚科などの領域にかかわらず比較的高いレベルで診療している。頭痛に関してもGPがかなり高いレベルで基本的な治療がなされているようだ。 

必要があれば頭痛外来に紹介状を書いてもらいWaiting Listにのることになる。このWaiting Listがかなり長く、公的病院の頭痛外来は初診までに12ヵ月から18ヵ月!も待つという。一度受診すると次の再診は数ヶ月後で、それまでの間は専門医の指示にしたがい、GPが定期的にフォローする。

このようなシステムのため、頭痛専門医が忙殺されることなく、一人あたり30分ほどかけてじっくりと診察をしている。患者の満足度も高いようだ。また、通常の片頭痛や薬物乱用頭痛などは基本的に来院することはなく、慢性群発頭痛、SUNCT/SUNA、家族性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続性片側頭痛、慢性片頭痛などで、なかなか改善しない頭痛のみである。


  頭痛専門医が本当に難治性の頭痛のみに、充分な時間をかけて診察している環境は理想的だと感じた。一方で、GPからNHSの頭痛専門医へ紹介するというルート以外に、プライベートの頭痛クリニックを受診するという方法がある。この場合、クリニックにもよるが数週間後には予約がとれるそうだ。NHS病院の頭痛クリニックが難治性頭痛に限られているのに対して、プライベートクリニックは診察代が高額であるが、通常の片頭痛の患者さんもいるとのことである。


  日本の良い面と悪い面、英国の良い面と悪い面、それぞれを見ることができたのは良い経験であると思う。