お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2012年6月29日金曜日

BOTOX 英国で慢性片頭痛に保険適応となる

27日の水曜日から英国ではBOTOXが慢性片頭痛にたいして保険適応となりました。BOTOXはこちらでは慢性片頭痛に多く行われているようですが、これまで保険適応がなくプライベートクリニックでの治療しかできませんでした。

今回、慢性片頭痛に保険適応となり、NHS病院でBOTOXができる日もそう遠くないかもしれません。 

2012年6月25日月曜日

頭痛外来は1年待ち!

英国では、基本的に地区の家庭医(GP)に登録することになっている。日本では大学病院でも、専門外来でも直接受診することができるが、英国ではまずGPを受診して、必要があると判断された場合は、GPから専門医に紹介するシステムとなっている。GPを含め公的病院(NHS:National Health Service)は、診察代、薬代を含めて全て無料である。

頭痛に関しても、すべてまずGPが治療を行う。英国ではGPはもともとGPになるための教育をうけており、基本的な疾患については内科、外科、小児科、産婦人科、皮膚科などの領域にかかわらず比較的高いレベルで診療している。頭痛に関してもGPがかなり高いレベルで基本的な治療がなされているようだ。 

必要があれば頭痛外来に紹介状を書いてもらいWaiting Listにのることになる。このWaiting Listがかなり長く、公的病院の頭痛外来は初診までに12ヵ月から18ヵ月!も待つという。一度受診すると次の再診は数ヶ月後で、それまでの間は専門医の指示にしたがい、GPが定期的にフォローする。

このようなシステムのため、頭痛専門医が忙殺されることなく、一人あたり30分ほどかけてじっくりと診察をしている。患者の満足度も高いようだ。また、通常の片頭痛や薬物乱用頭痛などは基本的に来院することはなく、慢性群発頭痛、SUNCT/SUNA、家族性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、新規発症持続性連日性頭痛、持続性片側頭痛、慢性片頭痛などで、なかなか改善しない頭痛のみである。


  頭痛専門医が本当に難治性の頭痛のみに、充分な時間をかけて診察している環境は理想的だと感じた。一方で、GPからNHSの頭痛専門医へ紹介するというルート以外に、プライベートの頭痛クリニックを受診するという方法がある。この場合、クリニックにもよるが数週間後には予約がとれるそうだ。NHS病院の頭痛クリニックが難治性頭痛に限られているのに対して、プライベートクリニックは診察代が高額であるが、通常の片頭痛の患者さんもいるとのことである。


  日本の良い面と悪い面、英国の良い面と悪い面、それぞれを見ることができたのは良い経験であると思う。







2012年6月22日金曜日

頭痛マスタークラス

 もう、6月も後半だと言うのに朝晩は肌寒い。今日、Regent's Parkの南東角にあるRoyal College of PhysiciansでHeadache Muster Classが開かれた。頭痛診療の講習会で、上司のマサル先生やシャナハン先生、マクレガー先生などのレクチャーが丸1日かけて行われた。
HP; http://www.headachemasterclass.com/speakers.php

 参加者は100人ほどで、多くのGP(General Practitioner)が参加していた。内容は中級編であったが、GPの質問のレベルはかなり高かった。こちらの医療制度については改めてまとめてみたいと思うが、少なくとも頭痛に関してはGPが高いレベルで診療を行っているようだ。

 もうひとつ、極めて驚いたことがあった。講習のなかで患者団体によるプレゼンテーションのセッションがあったのだが、この患者団体が極めて組織化されており、頭痛に関する啓蒙から患者のサポート、書籍等の出版、web siteの運営、さらには研究資金のサポート、今日の講習会のサポートなどの資金面のサポートまで行っていて、かなり影響力のある組織となっていた。

 そのうちの1つ、有名な 「the migraine trust」 http://www.migrainetrust.org/ などは2年に1度開かれる、European Headache and Migraine Trust International Congress (EHMTIC) http://www.ehmtic2012.com/ の名前を見ても分かるようにEuropean Headache Federation(ヨーロッパ頭痛連合)とともに国際学会を開催するまでになっている。

 さらに驚いたのが、そのほかにも「Migraine Action」 http://www.migraine.org.uk/ だけではなく、群発頭痛に関する団体「OUCH uk」 http://www.ouchuk.org/html/ や、さらにさらに三叉神経痛に関する団体「TNA」 http://www.tna.org.uk/pages/facepain.html まで存在し、それぞれが組織化され運営されていることだ。これらのサポートにより頭痛医療にはずみがついているような気がした。

 頭痛医療が市民にしっかりと根付いている印象を強く受けた1日だった。

写真は開始前の会場。内科医協会の建物で図書館でもあり、
壁には古い本がずらりとならんでいる。



2012年6月21日木曜日

はじめまして。New!!

 こんにちは、團野大介です。頭痛を中心に診療を行っています。今年からロンドン市内の病院の頭痛グループで頭痛を学んでいます。こちらへきて、しばらくたって、いろいろと周囲の状況も見えてきました。頭痛診療に関しては日本と同じ部分もありますし、また違った部分もあります。

 このブログでは、頭痛の話題を中心に日々感じたことや学んだこと、ロンドンでの生活の様子なども含めてつづってみたいと思っています。頭痛でお困りの方、頭痛に関心のある方、そうでない方いろいろとおられることと思いますが、よろしければご覧下さい。 


(2015.5.2 追加: 兵庫医大神経内科HPより)


National Hospital for Neurology and Neurosurgery (NHNN):

Queen Square:

Queen Square Photos: