渡英してから、ずいぶん時間がたっており
むしろロンドンの自宅のほうが自分の本来の
居場所のような感覚になっていた。
関空に到着し、ぼーっと車窓の景色をながめて
いた。何となく生々しいような、少し緊張感を
覚えるような感覚があった。
渡英して初めて帰国した時に、懐かしい日本に
もどれて、うれしくて小躍りするような気持ちになった
のとは、まったく逆の感覚だった。
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まもなく、留学が終わって臨床にもどるであろう現実も
緊張感に似た感覚の後押しをしたのだろう。
大阪で、式典の数日前に僕の帰国を歓迎して小さな宴を
開いていただいたのだが、街行く人は男女とも
きっちりした、しわひとつないスーツに身をつつみ、
さっそうと歩いていた。日本はこんな感じだっただろうか?
と少し気が引き締まる感じがした。
滞在先の実家に時間指定の配送品を事前に頼んでいたが、
その時間期限の3分前にチャイムがなり、笑顔の配送業者が
品物を届けていった。やはり、ここは間違いなく日本だと実感した。
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今日、上司の退官式典があった。懐かしい方々にお会いして
ほっとする部分もあり、かすかな緊張感を覚える部分もあった。
式典は盛大で、本当に良い式典であった。上司の先生には
本当にお世話になり、とてもありがたかった。
健康で、また末永くご活躍されるといいなと思う。
まだまだ、いろいろと世話になりたいなあなどと
甘えた気持ちにすらなる。
僕が今の日本の職場に転勤したのは5年前。
その中で、本当にいい出会いがたくさんあった。
いろいろな人がいたが、それぞれ何かいい面を
もっていて、憎めない人が多かった。
そういった人達のうち、何人かがこの3月末でお別れである。
それはそれで、さみしい面もある。ただ、去る人が
いて、来る人がいる。また、新しい出会いがあるだろう。
僕自身、まだまだ未熟な部分があるが、
まあそこはそことして、去っていく人への思いは心に
刻みつつ、自分なりに新しい出会いを
大切にしていきたいと思っている。
車窓に流れる風景 |