記載させていただきました。
よく知ろう!「片頭痛」のこと
兵庫医科大学病院 神経内科の團野大介です。「片頭痛」は20代~40代の女性に多くみられる病気です。鎮痛薬などで対処する人も多いですが、まちがった対応でさらに頭痛を悪化させてしまうこともあります。今回のコラムでは、そんな「片頭痛」についてわかりやすく解説します。
どうして片頭痛が起きるの?
片頭痛はストレスや疲れ、寝不足、寝すぎ、天気の変化、人ごみ、目の疲れ(パソコン)、生理、アルコール、乗り物、暑さ、日差し、週末などとても特徴的なきっかけでおこります。脳をおおっている硬膜の神経と血管に炎症がおこることではじまります。肩から首筋の「こり」から始まって、ひどくなると動くとひびいたり吐き気がしたりすることも。頭痛のまえに光やぎざぎざが見えて視界をふさぐ人もいます。たいてい数時間から長くて3日で治まります。片頭痛は片側のズキズキする頭痛と思われがちですが、軽いしめつけ感のこともあります。
女性に多い理由って?
片頭痛は10人に1人がもっていると言われています。男性にも多いですが特に30-40代の女性では約20%と有病率が高いです。女性の場合はホルモンの変動によって、特にエストロゲンが低下する生理の時にひどい片頭痛になることが多いです(月経関連片頭痛)。生理時の頭痛は強いため仕事に差し支えることも多く、市販の鎮痛薬が効かないことが多いです。そんなときには病院で片頭痛治療薬のトリプタン製剤を出してもらうのがよいでしょう。吐き気止めや鎮痛薬と併用すると効果的です。お困りの場合はぜひ一度、頭痛専門医の診察をうけましょう!
こんな時にはご用心!
いつもと違う頭痛は軽くても一刻をあらそう危険な頭痛のことがあります。初めて経験する痛みの場合は軽くても油断せずにすぐに病院を受診してください。また発熱、話しにくさ、麻痺、発疹などを伴う頭痛、急激な頭痛、日々悪化する頭痛なども急いで受診してください。その他、頭痛が月に15日以上ある場合(慢性片頭痛)や鎮痛薬をのむ頻度が多い場合(鎮痛薬乱用頭痛)は放置すると頭痛が余計に悪化することがあり、頭痛専門医の診察が必要です。兵庫医大病院神経内科では脳の検査と頭痛予防薬処方を中心に質の高い診療を提供しています。