お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2012年9月14日金曜日

DHE入院について

(*この記事と前後して、英国でのDHE注の製造は終了となった。)

DHE(ジヒドロエルゴタミン)は、エルゴタミンとともに麦角系の薬剤である。
エルゴタミンは1925年から、DHEは1945年から片頭痛治療に
使用されている古い薬である。

1990年代に入り(日本では数年後)トリプタンが使用できるようになったものの
一定の割合でノンレスポンダーもいる。再発する片頭痛に対する処方を含め、
片頭痛治療の非トリプタンオプションとして重要である。

いずれも、嘔気や血管系副作用が問題となるが、DHEはエルゴタミンにくらべて
以下の特徴がある。


①DHEはエルゴタミンと同等の効果があるが、血管収縮や嘔吐の副作用が少ない。
②エルゴタミンでは薬物乱用頭痛になるが、DHEによる薬物乱用頭痛はまれである。
③片頭痛の再発が少ない。

また、作用時間がながいという特徴がある。
日本では未発売で、慢性頭痛診療ガイドラインにはGroup4で
有効、副作用に注意となっている。

こちらの病院にはDHE入院という入院がある。おもな目的は薬物乱用頭痛の断薬、
慢性片頭痛、慢性群発頭痛の治療などである。
通常の予防治療ではどうしても効果がない症例に対して行われる点滴治療である。
エルゴタミンに比べて副作用が少ないとはいえ、
嘔気なども伴うため、5日間の入院して、嘔気止めの点滴や
こむら返りにたいする鎮痛薬なども合わせて行われる。なお、群発頭痛では
トリプタンとの併用ができないため、この間は酸素で対応する。

作用持続時間が長く、人にもよるが1~2カ月効果がある。3~4カ月ごとに使用可能
であるが、何年も行うものではないという。あくまで一時的な予防である。この間に頭痛が
改善すればよいのだが、改善しないようであれば、ボトックスや神経刺激療法術など次の
手段を考慮していく必要がある。

このようなDHEであるが、最近の新しい話題としては、吸入DHEである。点滴DHEにくらべて、
嘔気の副作用がすくなく、共存症として多い喘息でも有意な副作用なく使用できるとのことである。
Silbersteinはレビューの中で、吸入DHEは便利で副作用がよりすくなく、
中から高度の片頭痛治療のファーストラインとして考慮されるべきと
述べている。

2012 Sep;13(13):1961-8. Epub 2012 Aug 4.

MAP0004: dihydroergotamine mesylate inhalation aerosol for acute treatment of migraine

Silberstein S.


2012年9月13日木曜日

英国の頭痛専門医


全英で20人ぐらいとのこと.

GPwSI*in headacheも10-20人ぐらいとのこと.

     *General Practitioner with a Special Interest

専門医試験などはない.

頭痛クリニックは全英で30ぐらいとのこと.

ただ、英国の頭痛専門医は完全に頭痛に特化しているようだ.

>>>please see Nov. 9th

2012年9月12日水曜日

頭痛診療

こちらへ来て非常に印象深いことがある。

それは、頭痛診療が極めて、アグレッシブである点である。難治性の頭痛に対して一切妥協していない。そもそも外来に通院している患者さんは、いくつかの神経内科医やGPをへて、1年にわたる予約待ちを経てようやく頭痛外来にたどりついている患者さんのみである。さらに何年も頭痛外来で治療を続けている人も多い。そのような中で、頭痛を治すことが最重要課題となっている。それは当然だろう。外来で診察の様子を見ていると、主治医はこのような患者さんに果敢にとりくんでいる。ファーストラインの治療がターゲットドーズに達して、効果がなければ、治療薬のレジメンを変更し、次の薬剤のターゲットドーズを目指す。つまりファーストラインが無効なら、患者さんの状態をみながら、じっくり相談の上で、セカンドライン、サードラインへと移ってゆく。その中で、後頭神経ブロックや、ボトックス、神経刺激療法の手術なども選択されていく。

頭痛診療自体が、非常にアグレッシブで、手をこまねいている様子がない。患者さんの状況をみながら、戦略的に、積極的に、果敢に頭痛に立ち向かっていく様は、まるで外科医のようだ。頭痛医の果敢さは目を見張るものがある。

ある一定の割合の患者さんが比較的順調な経過をたどり、それ以外の困難な患者さんがいる場合と、全ての患者さんが難治性患者さんの場合では少し対応がことなるのかもしれない。

それでも、一人あたりの診察時間はたいてい30分から場合によっては1時間近くにおよぶ。この間、もちろん傾聴の場面もあるし、症状を、繰り返し、確認しながら、極めて極めて詳細に、極めて正確に、広範囲に聴取する事と、治療が有効であったか、無効であったか、有効であったならどのくらい有効であったかを判断する事、そして次のステップの治療の説明とそのエビデンスの説明の時間にもあてている。

このような頭痛外来にふれることができていることは、僕にとって非常に刺激的だし、自分の将来の頭痛診療の方向性に多大な影響を及ぼすとおもう。

2012年9月8日土曜日

ロンドン塔

天気が良かったのでロンドン塔に行って来ました。

ロンドン塔はカラスが有名です。

内部はこんな感じです。

牢獄と聞いていたのですが、明るい街のような雰囲気でした。

ロンドン塔からタワーブリッジが見えます。
パラリンピックのマークが飾り付けてあります。

古い路地の様です。

外観はやはり少し硬い印象がありますね。

SUNCT

SUNCTの患者さんは、まれな頭痛だが、留学先の病院にはとても多い。
日本にももちろんおられるし、報告もされているが、
僕自身はまだ見たことがなかった。

神経刺激療法の手術後の方だが、診察中に何度も発作がおこる。

急に、片側に涙と鼻水がでたと思ったら、非常につらそうな頭痛がおそってきて
座っておられず、歩きだす。そしてほどなくして発作が治まる。

そんな発作が、しばらくしてまた起こってくる。それの繰り返しだ。
SUNCTはこんな感じなんだな、としりました。

本で読んでいても、実際みないと分からない。

かなりつらそうな頭痛である。
たかが、頭痛ではない。慢性頭痛は専門医の治療を必要とする
大変な疾患である。

2012年9月7日金曜日

睡眠時頭痛


睡眠時頭痛はまれな疾患. だからこそ、しっておく
まれな疾患だからこそ, よく理解していないと見逃してしまう.
こちらのDRは, このような まれな疾患でも,  過去のケースレポートレベルから最新の論文
まで, 極めて広範囲に熟知している.
Specialistは、そうあるべきである。


治療のオプションが,  複数紹介されている極めて有用な文献です。
治療は?  ときかれて,   「カフェインです」 と 答える だけでは
あまりよくないようです。

*もちろん、まれな頭痛は診断だけできれば後はゆっくりしらべれば
よいのだが、このように広く、深く熟知しておくことは重要だと思う。



Curr Treat Options Neurol. 2012 Feb;14(1):15-26.

Hypnic headache: clinical course and treatment.

Diener HC, Obermann M, Holle D.



Ann Neurol. 2011 Mar;69(3):533-9. doi: 10.1002/ana.22188. Epub 2010 Nov 8.

Hypothalamic gray matter volume loss in hypnic headache.

Holle D, Naegel S, Krebs S, Gaul C, Gizewski E, Diener HC, Katsarava Z, Obermann M.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21446025


夕暮れ時になって、疲れて集中できず、近くの公園で遅い昼食の
サンドイッチを食べた。昼食を食べる時間がなかったわけでは
なかったのだが。

中心溝とCSD

中心溝が一次感覚野と運動皮質を分けている。このため、片麻痺性片頭痛のCSDは脳表面の長い距離を伝わるか、脳の深いところを通らなければ感覚から運動皮質へ広がることができない。そのため中心溝が運動皮質が影響をうけることを防いでいる可能性がある。つまり運動前兆はまれである。
CSDはvisual>sensory>motor>aphasic>basilarの順で進行するんですね。途中で中心溝がありCDSの進展を防いでいるんですね。

下記文献は何度も登場しているが、現在SHM,FHMのレビューのなかでもっともまとまっている
非常に重要な文献です。お勧めです。

Lancet Neurol. 2011 May;10(5):457-70. Epub 2011 Mar 30.
Sporadic and familial hemiplegic migraine: pathophysiological mechanisms, clinical characteristics, diagnosis, and management.
Russell MB, Ducros A.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=mb%20russell%20sporadic%202011