お知らせ

●頭痛に伴って手足の麻痺を繰り返す片麻痺性片頭痛について経験が豊富です.大阪難波の富永病院の私の外来にご相談ください.

●富永病院 頭痛センターでは,幅広い頭痛疾患に入院を含めて対応しております.ぜひ,お気軽にご来院ください.

2012年8月28日火曜日

慢性片頭痛治療 topiramate と botulinum toxin type A

とても重要な文献です。episodic migraineに対する予防療法のデータは多いのですが、chronic migraineの治療に対するデータは少ないです。貴重な文献です。

-Data on the treatment of chronic migraine are scarce because most migraine-prevention trials excluded patients who had headaches for ≥15 days per month.
-Trial data are available for topiramate and botulinum toxin type A.


Nat Rev Neurol. 2012 Feb 14;8(3):162-71. doi: 10.1038/nrneurol.2012.13.
Chronic migraine--classification, characteristics and treatment.
Diener HC, Dodick DW, Goadsby PJ, Lipton RB, Olesen J, Silberstein SD.

2012年8月22日水曜日

トリプタンによる片麻痺性片頭痛治療

HMに対してTriptanは禁忌ですが

Treatment of HM with triptansについの代表的な文献です.

Eur J Neurol. 2007 Sep;14(9):1053-6.
Treatment of hemiplegic migraine with triptans.
Artto V, Nissilä M, Wessman M, Palotie A, Färkkilä M, Kallela M.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17718700

また、HMについの代表的な文献である下記文献には

Triptans are historically contraindicated but are often used off-label to stop the headache.
とも記載されています.

Lancet Neurol. 2011 May;10(5):457-70. Epub 2011 Mar 30.
Sporadic and familial hemiplegic migraine: pathophysiological mechanisms, clinical characteristics, diagnosis, and management.
Russell MB, Ducros A.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=mb%20russell%20sporadic%202011

(留学先の病院では, 前兆が終わって頭痛がはじまってから服用という形で
 しばしば使用されているようです.)

*原則としてとはHMに対してTriptanは禁忌です.


[追]
バッキンガム宮殿前にて。色彩が鮮やかです。

2012年8月21日火曜日

金色の髪


Nummular headacheつながりだが, めずらしい頭痛があります.
疼痛部だけ金色の髪がはえるというのです。


Nummular headache associated with focal hair heterochromia in a child


*ただし、順序は

 The patch of blonde hair had been present in the right parietal region from birth and had remained unchanged.

>> A four-year-old boy presented with a six-month history of paroxysmal, brief episodes of right parietal pain.

処方薬

7月2日のNeurostimulation for chronic headacheは受け入れられるか?の記事と重複するかもしれないが。

片頭痛の予防薬として、抗うつ薬や抗てんかん薬、降圧薬、その他いろいろとあるが、日本で外来をしているときに、片頭痛の予防目的でこれらの薬剤を処方しようとしても、患者さんは少なからず抵抗感を示す。

必要性やこれまでのエビデンスなどをきっちり説明しても「えっ、てんかんのお薬ですか?」とか「うつ病ってことですか?」とかいう反応があり、なかなか治療が進みにくい。ようやく納得してもらっても、薬局で再びてんかんの薬とか、うつの薬という説明をうけて次回来院時に服用できていないケースは多い。これは僕の説明の仕方が悪いのもあるかもしれないが、医師の間では良く聞く話である。

一方、こちらの病院で外来をみていると、医師は抗てんかん薬とか、抗うつ薬とか同じように説明している。また、Methysergideのような副作用のある薬剤についても、きっちり副作用を説明しているが、不思議なことにこれまでのところ、薬剤の受け入れに関して抵抗感を示す患者さんをみていない。みんな、真剣に医師のいうことを聞いており、時折Yes.とかRight.とかSure.とか返事をしながら、むしろ新たな治療のステップに可能性を見出し、ありがたく受け入れているようである。

もちろん、頭痛外来初診予約待ちが1年以上あり、来院している人はみんな何年も連日性頭痛に悩まされている状態であるから、医療機関を比較的早期に受診しやすい環境の日本の患者さんとは背景が少し違うのかもしれないが。

ただ、頭痛に対するNeurostimulationの受け入れについて先日記載したように、もしかすると英国(欧米?)の人の方が、治療薬や治療法について日本人よりも、少し客観的にみているような気がしてならない。これに関しては、何の根拠もなくただの推測にすぎないが、こちらへきて数カ月がたち、そんなふうに感じている。

2012年8月20日月曜日

Methysergide 副作用に注意

Methysergide:片頭痛予防のsecond-lineに位置付けられている。

日本では発売されておらず、日本頭痛学会の「慢性頭痛の診療ガイドライン」では
Flunarizine, DHEとともにGroup4(有効、副作用に注意)の位置づけである。

fibrosis of the heart, lung, bloodvessels or peritoneum などの副作用が問題となり、他薬で効果がない場合に使用されるが、留学先の病院の外来では比較的よく使用されている。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18644039

追記 8/22
UKに30のHeadache clinicがあるが, Methysergideの使用は, そのなかでも一部の施設に限られている.


Nummular headacheの診断基準update


Nummular headacheの診断基準updateがPareja JAらにより提案されている。

Nummula headacheは珍しいようで、実は頻度の高い頭痛の可能性がある。
このため、診断基準のアップデートは是非目を通しておきたい。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=nummular%20headache%20update


近所の公園です。とても広く緑がまぶしいです。

2012年8月13日月曜日

日本頭痛学会の奥深さ

いいんではないかと思う。

英国では、GPのなかでも特に頭痛に関心のある医師はGPwSI* in headacheという称号を持っている。* General Practitioner with Special Interest

しかし、基本的に頭痛専門医は神経内科医である。

一方、日本では日本頭痛学会の頭痛専門医は神経内科医、脳外科医はもちろん、内科医、心療内科医、ペインクリニック医、歯科医、口腔外科医、漢方医、救急医、小児科医、皮膚科医、産婦人科医など非常にバラエティーにとんでいる。

頭痛の領域は神経内科だと思う。今のところ僕は一般内科医である。頭痛を学ぶには神経内科のスキルは必須だと思うので、興味があるし今後、絶対に学んでいかなければならないと思う。

つまり、僕の考えとしては、頭痛をする以上、神経内科の知識を是非習得するべきと考えているが、日本頭痛学会の各科の医師を頭痛専門医と認めている奥深さは、素晴らしいと思う。

なぜなら、頭痛は脳神経の問題のみならず、患者の社会的背景や、潜在する精神心理的背景、身体疾患などが複雑に関与していることが多いからである。各方面から頭痛疾患を考えていくことは重要である。

中山書店の「小児の頭痛 診かた治し方」(五十嵐隆先生編集)の序には
- 頭痛の原因疾患はきわめて多彩であり、原因となる疾患によって対応法もまったく異なるものとなる。頭痛の診療に際しては、各疾患に対する理解はもとより、上手な問診の能力、神経学的診察法、検査の選択や評価、さらには心理学的アプローチの技術も要求される。治療においても、適切な薬剤選択と具体的な生活指導のみでなく、患児や家族が理解できるようなわかりやすい説明が極めて重要であり、場合によっては幼稚園や学校など周囲への対応も必要となる。“頭痛は究極の総合診療である”といわれる所以である。-
と記載されている。

これは重要なことであるとおもう。日本の頭痛専門医事情はめずらしいのかもしれないが、日本には日本のやり方があってよいと思う。日本頭痛学会は素晴らしい奥深さをもっていると思う。

[追]

バッキンガム宮殿にて。西洋の美学ですね。